3.【「問題(悩みの種)」には二種類ある 】(Part1:過去や将来の問題の場合)

 皆さんのストレスの原因になっている物、つまり皆さんの「悩みの種」の代表は、皆さんが抱えているいろいろな「問題」だと思いますが、この「問題」というものは大きく二種類に分けられるということをまず最初に理解していただきたいと思います。

 一つは「(解決するために)考える必要のある問題」。もう一つは考えても全く解決することのない、つまり「考えても何の得にもならない問題」です


 まず、「考える必要のある問題」とはどういう物かですが、
 例えば、「今日の夕食に何を作ろうか」と昼過ぎ頃に考えて、買い揃える必要のある材料をメモしたりするといったことです。
 そのメモを元に買い物をすればスムーズにいくし夕方に予定通りの料理を作ることができます。
 しかし、もし昼過ぎに夕食のことを考えないままでいたとしたら、夕方になって「さて何を作ろうかな」と思って冷蔵庫の中を見たら、料理の材料が何もなかったというようなことになってしまうかもしれません。
 つまり、昼過ぎに「夕食に何を作ろうか」と考えることは、「考える必要がある問題」といえるでしょう。

 このように、「将来の希望や予定」に対して準備を進める際には時には考える必要が出てきます。
 つまり、「将来の希望や予定」は「考える必要がある問題」になり得る訳です。
 そして、「考える必要がある問題」について考える際には、「はたしてうまくいくだろうか」などといった不安感等のマイナスの感情など持たずに、「冷静に」、「理性的に」、プラス思考で考えればよいのです。
 そして、徹底的に考えてある程度の結論が出たなら、その結論に従って、「冷静に」行動すればよいのです。
 どんな場合にも、マイナスの感情を持てば持つほど「考える必要がある問題」の解決は困難になるでしょう。

 これに対して、「考えても何の得にもならない問題」というものは、考えても全く解決に結びつくことはなく、考えるだけ無駄な問題ということです。
 その一つに挙げられるのは、過去や将来の事を思いわずらうということでしょう。
 もしも、過去の悔やまれることを徹底的に思い悩み続けることによって、過去のその時点に瞬間移動ができて、その問題を解決したりやり直したりできるのだとしたら、思いっきり悩むべきでしょう。
 また将来の問題を考え続け、不安感に浸り続けることによって、将来に一足飛びに行けるのだとしたら、その問題をとことん考えて悩み続ける価値はあるかもしれません。
 しかし実際は、例えば昔の事を思い出して、いくらいやな思いにどっぷりと浸ったとしても誰一人としてその昔に戻ってその問題を解決することなどできないのです。

 あるいは、
 「あの時あんな事をやらなければ今頃はもっと幸せになっていたはずだ」
 などと考える人がいますが、逆に、
 「あの時、別な事をしていたとしたら今頃はもっと悲惨な事態になっていたかもしれない」
 という論理も成り立つわけです。
 いずれにせよ、過去や将来のことをあれこれ思い悩むことによって現在の状況が突然良い方向に変わるなどということは決してないということだけは言えるでしょう。

 つまり、人間は、誰でも「現在=今」しか実体験できないのであって、過去や将来を頭の中で思うことはできても、決して過去へ戻って人生をやり直すことなどはできませんし、一足飛びに将来に飛んでいくこともできないのです。
 過去や将来を思いわずらってばかりいるようでは、現在を充実して楽しく生きていくことは不可能です。
 人間が実体験できるのは永遠に「現在」だけである以上、「現在」を軽視したこういった生き方からは、充実した人生は望めないでしょう。

 画家が、白い物体を引き立たせるために背景に暗い色を使うということがよくあります。
 しかし、見る人が、暗い背景に心を奪われていたのでは、白く輝く重要な物体は目に入って来ません。
 また白い物体は、暗い背景があるからこそより輝いて見えるわけで、両者を対比してはじめてその絵の良さを充分に味わうことができるわけです。
 人生も同じで、過去のいやな経験こそ、現在のあなたの人間性を磨くのに役立ってきたわけですが、そのいやな過去の事にばかりとらわれてしまったのでは、一番重要な、「今」を充実して明るく生きるということがおろそかになってしまいます。


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