【頭痛はなぜ起こるのか? その予防法は?】

 頭痛は大きく3種類に分けられます。

 @血管性頭痛: 偏頭痛がその代表

 A筋緊張性頭痛: 肩こりを伴う場合の頭痛

 Bその他の原因による頭痛: くも膜下出血、脳腫瘍など、脳の病気に伴う頭痛

 です。

 しかし、あなたを悩ませている頭痛は@Aのいずれかであり、Bの可能性はほとんどないというのが実際かと思います。
 ただ、私の述べた方法で頭痛が収まらない場合は、Bの可能性もありますので、その時には医師にご相談下さい。

 まず、次の設問によって、あなたの頭痛がどのタイプなのか自己診断していただこうかと思います。

 「肩がこっていますか?」...「イイエ」なら@血管性頭痛です。

 「ハイ」ならA筋緊張性頭痛の可能性が大ですが、@も合併している可能性もあります。

 そこで、まず、最も頻度の高い@血管性頭痛が、なぜ起こるのか、そのメカニズムを充分にご理解いただきたいと思います。




●血管性頭痛の起こるメカニズム●

 さて、脳そのものは痛みは感じません。
 たとえば、脳の手術で脳を刺しても痛みは感じないのです。
 ではなぜ血管性頭痛は起こるのか。
 それは、脳表面の血管の周りに網のようにまとわりついている神経網が痛みを感じるからなのです。

 ふだん、ストレスのない状態での血管の直径を「普通の太さ」とします。
 この状態では、周りの神経網に余計な力はかかっていないので、全く痛みは感じません。
 ところが、たとえば、酒の飲み過ぎや、風邪などで熱があったりしたときにはよく頭痛が起こるものですが、同時に、顔の血管が拡張して赤ら顔になるものです。
 そんなときには、同じように、脳表面の血管も拡張しているのです。
 そうすると、血管の拡張によって、血管周囲の神経網が伸展され、痛みを感じるのです。

 では、偏頭痛などの血管性頭痛はなぜ起こるのか。
 それは、その人が、ストレスその他で普段から、脳表面の血管が収縮している状態にあるからなのです。

 人間、緊張したりして、顔面が蒼白になり手足が冷たくなることがありますが、それは体表面の血管が収縮して血のめぐりが悪くなったために起こるわけです。
 そして、そんなときには同様に、脳表面の血管も収縮しているのです。

 ただ、脳表面の血管の太さが、普段「普通の太さ」である人の場合、たまに緊張したりストレスを感じたりして、血管が「細く」なると、血管周囲の神経網の張り具合は低下します。
 この時は当然頭痛は起こりません。
 あくまでも神経網が伸展された時に頭痛は起こるのです。

 そして、その緊張やストレスがそれほど長時間ではない場合、そこから解放されて、血管が「普通の太さ」に戻っても、血管周囲の神経網の張り具合は、元通りに戻るだけであって、伸展されるわけではないので、頭痛は起こりません。

 ところが、普段からストレス等で、全身の血管が収縮している時間が長い人の場合、脳の血管が「細く」なっている時間もまた長いため、血管周囲の神経網が、その「細い」状態を普通の状態と自覚(?)しているのです。
 そこで、ふと緊張がゆるんだりして、血管が「普通の太さ」に戻ると、神経網は「伸展された」事になり、頭痛を感じてしまうのです。




●血管性頭痛を予防するにはどうすればいいか●

 まず、注意していただきたいのは、頭痛薬によく配合されている血管収縮作用のある薬は、なるべく飲まないようにしていただきたいという事です。

 偏頭痛の特効薬として有名な「酒石酸エルゴタミン」という薬は、脳血管を強力に収縮させることによって頭痛発作を抑えるのです。
 ところが、血管が拡張して頭痛が起きそうなときにはこれを服用して血管を収縮させるわけですから、四六時中血管が収縮している状態になってしまうのです。
 その結果、血管周囲の神経網はこの状態を正常と自覚しているため、ちょっとした血管拡張でもひどい頭痛が起きてしまい、血管収縮作用のない鎮痛剤はあまり効かなくなってしまいます。
 しかも、全身の血管が常に「細く」なっていて、血液の循環が常に悪いと、当然体調が悪くなったり、いろいろな病気にかかりやすくなったりするにも関わらず、「酒石酸エルゴタミン」のような薬は、癖になって、この薬無しでは生きていけない状態になってしまうのです。

 ですから私は頭痛の方に、このような血管収縮作用のある薬は絶対使いません。
 じゃ、どうするか。

 @まず、血管収縮作用のない鎮痛剤で頭痛を抑えていただく。

 A次に、瞑想などでリラックスするコツを身につけ、脳血管を常時「普通の太さ」か、「やや拡張気味」になるようにトレーニングし、血管周囲の神経網をその状態が正常であるように時間をかけてリセットする。(この間、鎮痛剤なしですと、リセットされるまでの間、頭痛が起こる可能性があります。従って、鎮痛剤は服用したままの方が良いかと思います)

 Bある程度の時間をかけてこの状態に慣れれば、服薬は不要になります。

 という方法をとります。

 ですから、まず、信頼のおける医師に血管収縮作用のない鎮痛剤を処方していただくのが重要です。
 血管収縮作用のある鎮痛剤(市販の薬にも入っているものがあると思います。例の「酒石酸エルゴタミン」の入ったものは絶対お勧めできません。製薬会社にとっては、一種の中毒者を作れるわけですから都合良い薬でしょうけど。)は服用しないで下さい。

 内科に受診された場合、その薬が、血管収縮によって頭痛をとる薬ではないのかどうか、担当医に聞いてみて下さい。
 もし、収縮作用がある薬を出されそうになったら、収縮作用のない薬に変えてもらって下さい。
 もし、よく説明してくれない、或いは薬を変えてくれない医師であれば、「ヤブ」(苦笑)ですから、次回からはその医師だけは避けるのが得策でしょう。

 頭痛の話が長くなって「頭痛」が起こりそうな状態かと思います(笑)。

 こういった説明は、面と向かって身振り手振りや図解などを使って話すと、数分で終わってしまうのです。
 でも、皆さんには、どうしても頭痛のメカニズムを知っていただきたかったため、図解できない都合上、長々と説明させていただいたわけです。

 「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」とかいうではありませんか。

 ご健闘をお祈り申し上げます。




●筋緊張性頭痛の起こるメカニズム●

 肩や首筋がこっていると、肩周囲の筋肉の中の神経も刺激されます。
 そうすると、神経は、頭蓋骨の外にあるにも関わらず、あたかも頭蓋骨の中で痛みが起こっているように感じてしまうのです。
 人によっては、後頭部の重圧感という形をとる人もいます。




●筋緊張性頭痛の予防法●

 まず、肩や首筋のコリをなくすのが大事です。
 肩こりの一番の原因は、ビタミンB1不足です。
 ビタミンB1が不足すると、疼痛物質である乳酸が筋肉中に溜まってしまい筋肉痛=肩こりが起こってしまうのです。  

 日本人は、昔から肩こりの多い民族でした。
 それは、肩こりの予防になるビタミンB1の豊富な米の胚芽の部分を取り去った白米を食べていたからです。

 一方、欧米人には、「肩こり」に相当する言葉がないように、肩こりで悩む人はほとんどいないようです。
 それは、欧米人の主食である小麦等の麦には、ビタミンB1が豊富に含まれているからです。

 ですから、もし、現在、水晶米とか、胚芽のほとんどない米を食べているのであれば、胚芽米にするとか、ビタミンB1を補うために、麦ご飯にするとか、ビタミンB1強化補助食品(お釜にポン、ビタヴァレー等)を入れてご飯をたく事をお勧めいたします。
 また、豚肉にはビタミンB群が豊富ですので、時々食べるようにするのも良いでしょう。(沖縄の人が世界一長寿なのには、豚肉を多食する事も関係しているのではないかと言われています。)
 もし、外食などが多く、バランスの良い食事が取りにくい方であれば、総合ビタミン剤(「ポポンS」等)で補われてはいかがかと思います。
 ビタミンB1の補給だけを目的とするのであれば、有名な「アリナミン」でもいいでしょうけど。

 それから、前述の、血管性頭痛同様、なるべくリラックスする習慣をつければ、当然肩周囲の筋肉の血流も良くなりますので、疼痛物質の乳酸も血中に拡散し易くなり、肩こりの予防にも役立ちます。

 こういった点に気をつけて、肩こりがなくなれば、頭痛は軽減消失するはずです。
 もちろん、体質改善しながら、血管収縮作用のない鎮痛剤を初期に併用する事は構いません。




●その他の原因による頭痛について●

 これは、非常にまれで、あなたの頭痛の原因は、今まで説明した2種類のうちのどちらかであるという場合がほとんどすので、ごく簡単にご説明させていただこうかと思います。

 以下のような場合、特殊なタイプの頭痛である可能性がありますので、医師の診断を仰ぐ必要があります。

 「過去に頭痛持ちではなかったのに、突然、頭を殴られたような激痛が起こり、時には吐き気が伴う」

 これは「くも膜下出血」の可能性が高いので、脳神経外科か神経内科にすぐ受診して下さい。

 「過去に頭痛持ちではなく、吐くこともなかったのに、ここ数ヶ月前位から、起床時に突然吐くようになり、頭痛を感じたりするが、午後には良くなる」

 これは「脳腫瘍」の可能性がありますので、やはり、脳神経外科か神経内科に受診して下さい。




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